社会保険料はいくら引かれるのか
社会保険(健康保険+厚生年金)の保険料は、本人と会社で折半します。本人負担の割合はおおむね給与の約14〜15%です(健保組合や年度によって異なります)。
| 保険の種類 | 本人負担(目安) |
|---|---|
| 健康保険(協会けんぽ) | 年収の約5% |
| 厚生年金保険 | 年収の約9.15% |
| 合計 | 年収の約14.15% |
たとえば年収120万円の方が社会保険に加入すると、年間約17万円(月約1.4万円)が保険料として引かれます。これがいわゆる「106万円の壁を超えた影響」です。
年収別 手取りシミュレーション
以下は、51人以上の企業・週20時間以上勤務・扶養内での計算例です(2025年税制・社会保険料率14.15%で概算)。
| 年収 | 社保加入 | 社保料 | 所得税 | 住民税 | 手取り |
|---|---|---|---|---|---|
| 105万円 | なし | 0円 | 0円 | 0.55万円 | 約104.5万円 |
| 110万円 | あり | 約15.6万円 | 0円 | 約0.6万円 | 約93.8万円 |
| 120万円 | あり | 約17.0万円 | 0円 | 約0.5万円 | 約102.5万円 |
| 130万円 | あり | 約18.4万円 | 約0.1万円 | 約0.5万円 | 約111万円 |
| 150万円 | あり | 約21.2万円 | 約0.4万円 | 約1.4万円 | 約127万円 |
| 160万円 | あり | 約22.6万円 | 約0.7万円 | 約2.2万円 | 約134.5万円 |
| 180万円 | あり | 約25.5万円 | 約1.5万円 | 約4.0万円 | 約149万円 |
※ 社保料は本人負担分。所得税・住民税は基礎控除・給与所得控除のみで概算。実際は保険組合・自治体・その他控除で変わります。
損益分岐点:何万円から「得」になるか
上のシミュレーションを見ると、社保なし(105万円)の手取り約104.5万円を上回るのは年収130万円前後です。
ただし、130万円を超えると今度は配偶者の健康保険の扶養を外れる可能性があります。その後は国民健康保険または自分の社会保険で保険料を払うことになるため、さらに手取りが変わります。
総合的に見て、「105万円に抑える」か「150万円以上を目指す」かのどちらかが選択されやすい傾向にあります。130〜145万円は一般に手取りが最も少なくなりやすい帯と言われています。
106〜145万円:社保保険料の負担が重く、手取りが一時的に落ちる帯。
150万円以上:手取りが105万円ライン超えてくる帯。収入増の効果が出てくる。
160万円超:配偶者特別控除が段階的に減り始めるが、自分の手取りは増える。
世帯全体で考えると?
手取りを考えるとき、自分の手取りだけでなく「世帯全体」で見ることが大切です。妻の年収が増えると、夫側の配偶者控除(特別控除)が減り、夫の税負担が増えることがあります。
たとえば、妻の年収が160万円を超えると夫の配偶者特別控除が満額(38万円)から段階的に減り始めます。夫の所得税率が20%の場合、38万円の控除がなくなると夫の手取りが年間約7〜10万円減る計算になります。
妻が年収を増やしたとき、夫の税負担増と妻の社保加入コストを合計して世帯手取りがどう変わるかを確認してから判断するのが理想です。
社会保険加入のメリット(将来の保障)
社会保険への加入は短期的には手取り減につながりますが、長期的にはメリットもあります。
- 厚生年金が増える:老後の年金(基礎年金+厚生年金)が増加。パート期間も厚生年金に加入すると将来受け取れる年金が増える。
- 傷病手当金が使える:病気やけがで休んだときに給与の2/3相当が最大1年半支給される(国保にはない制度)。
- 出産手当金が使える:出産前後の休業中に給与の2/3相当が支給される。
特に将来の年金については、パート期間中も厚生年金に加入しているかどうかで老後の受給額が大きく変わります。「今の手取り」だけでなく「将来の保障」も含めてトータルで判断することをおすすめします。