STEP 1:今年の年収見込みを確認する
まず、1月から現時点までの給与実績と、12月末までの残り勤務分の見込みを合算します。
確認する数字は「税込みの給与総額(交通費除く)」です。交通費は原則として所得税の計算に含まれません(ただし社会保険の計算では含まれる場合があります)。
年収の確認方法
給与明細の「総支給額(または支給合計)」を1月分から足し合わせます。または勤務先の給与担当者に「今年の源泉徴収見込み額」を確認しましょう。
パートやアルバイトで複数の職場で働いている場合は、全ての職場の収入を合計します。年収の判定はすべての給与収入の合算です。
STEP 2:どの「壁」に近いかチェックする
年収見込みが確認できたら、各壁との距離を確認します。
| 壁 | 超えると何が起きるか |
|---|---|
| 110万円 | 住民税が発生し始める(翌年6月〜) |
| 123万円 | 自分の所得税が発生し始める・配偶者控除から配偶者特別控除へ |
| 130万円 | 配偶者の健康保険の扶養から外れる可能性(保険者の基準による) |
| 160万円 | 夫側の配偶者特別控除が満額(38万円)から減り始める |
要注意:106万円の壁は勤務先規模で変わる
従業員51人以上の企業で週20時間以上勤務の場合は「106万円の壁」も関係します。
月収8.8万円以上になると社会保険の加入義務が生じる可能性があります。
STEP 3:配偶者控除の申告(夫の年末調整)
夫が会社員の場合、夫の会社の年末調整で配偶者控除または配偶者特別控除を申告します。夫が記入する書類は「給与所得者の配偶者控除等申告書」です。
記入に必要な情報は次の2つです。
- 配偶者(妻)の今年の所得の見積額:給与収入から給与所得控除(65万円)を引いた金額
- 夫自身の所得の見積額:給与収入から給与所得控除を引いた金額(会社が計算してくれる)
「所得の見積額」の簡単な計算方法
妻の給与収入が160万円以下の場合:年収 − 65万円 = 所得の見積額例)年収130万円の場合:130 − 65 = 65万円(所得の見積額に「65」と記入)
控除額の自動計算は会社の経理が行うため、妻が正しい年収見込みを夫に伝えることが大切です。年収をうっかり低く申告すると過大な控除を受けてしまい、翌年の確定申告で追徴課税になることがあります。
STEP 4:社会保険の扶養判定を確認する
健康保険の扶養(第3号被保険者)は、年収ではなく「今後12か月の収入見込み」で判断されます。130万円の壁に近い場合は特に注意が必要です。
130万円ギリギリの場合の対処法
一時的に収入が増えた場合(繁忙期のシフト増など)は、勤務先に「収入が一時的に増えた旨の証明書」を発行してもらうことで扶養継続が認められる特例があります。保険者(健保組合・協会けんぽ)によって判断基準が異なるため、夫の勤務先の総務・人事に事前確認しましょう。
年収が130万円を超えることが確実になった場合は、国民健康保険の加入手続きが必要です。市区町村の窓口で扶養を外れた日から14日以内に手続きをしましょう。
STEP 5:自分自身の年末調整または確定申告
パート勤務の場合、多くは勤務先が年末調整をしてくれます。ただし、次のケースでは自分で確定申告が必要になることがあります。
| ケース | 対応 |
|---|---|
| 複数の職場で働いている | 確定申告で合算して申告(メインの職場以外の収入は自分で申告) |
| 副業・フリーランス収入がある | 給与以外の所得が20万円超の場合は確定申告 |
| 年の途中で退職した | 翌年1〜3月に確定申告(還付になることが多い) |
| 年収2,000万円超 | 確定申告必要(パートではまれ) |
確定申告の期間は翌年2月16日〜3月15日です。源泉徴収票・マイナンバー・銀行口座情報を手元に用意してe-Taxまたは税務署窓口で申告します。
まとめチェックリスト
年末にやるべきことチェックリスト
☐ 1月〜現在の給与明細を手元に集める☐ 12月末までの年収見込みを計算する
☐ 年収が「110万・123万・130万・160万」のどの壁に近いか確認
☐ 夫の年末調整書類に妻の年収見込みを正確に伝える
☐ 130万円を超えそうなら夫の勤務先に相談する
☐ 複数勤務・副業がある場合は確定申告の準備をする
☐ 年末調整が終わったら源泉徴収票を受け取り保管する
年末の収入調整は「損をしないライン」を知ることが重要です。ツールで簡単にシミュレーションできますので、一度試してみてください。